川勝研究室では、自身の研究を進めながら実際のミッションに関わることができます.川勝教授に加えて宇宙研職員の方々からのアドバイスを受けながら検討,解析等を遂行していきます.以下では、現在川勝研の学生が関わっているミッションをご紹介します.
MMX (Martian Moons eXploration)は,火星の周りを回る衛星を探査するミッションです.火星はフォボスとダイモスと呼ばれる2つの衛星を持っており,MMXは火星衛星を周回・観測し,フォボスからはサンプルを回収して地球に戻ってくることを想定しています.現在は2024年の打ち上げを目指して開発が行われています.探査工学の面からも野心的な計画で, 国際的な注目度も高いミッションです.川勝教授は探査機のシステム検討を取りまとめており,川勝研の学生もミッション検討や解析に協力しています.
DESTINY+(Demonstration and Experiment of Space Technology for INterplanetary voYage)は、将来の深宇宙探査の鍵となる先端技術の実験をするミッションです.2024年度の打上げ及び小惑星Phaetonのフライバイ探査を目標としています.川勝研の学生はDESTINY+が想定しているミッションシーケンス中の各フェーズに積極的に関わっています.
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EQUULEUS(EQUilibriUm Lunar-Earth point 6U Spacecraft)は,JAXAと東大が共同で開発している6Uサイズの深宇宙探査用CubeSatです.NASAが2021年に打ち上げを計画している新型ロケットSLSの初号機の副ペイロードとして搭載が予定されています.超小型宇宙機による地球・月圏での低エネルギー軌道制御技術の実証や,地球を覆うプラズマ観測などの科学観測を計画しています.川勝研の学生も軌道設計を中心として積極的に開発に携わっています.また学生は打ち上げ後の運用にも参加します.
OMOTENASHI(Outstanding Moon exploration Technologies demonstrated by Nano Semi-Hard Impactor) は上記のEQUULEUSミッションと同様にNASAが2021年に打ち上げを予定している新型ロケットSLS (Space Launch System) に相乗りする探査機です.固体ロケットモーターを搭載し,超小型探査機でありながら月面への着陸を目指す画期的なミッションです.低コストでの月着陸技術実証に加えて月面での放射線計測も行う予定です.川勝研の学生も軌道設計に関わっており,SLS打ち上げ後には運用にも参加します.
PROCYONは、50kg級超小型深宇宙探査機バス技術実証と深宇宙探査技術の実証を目指した超小型深宇宙探査機です.はやぶさ2の相乗り衛星として,2014年12月に種子島からH2Aで打ち上げられました.ISASと東大の共同ミッションで,川勝教授がISAS側を代表を務めました.PROCYONの軌道設計および運用は川勝研と中須賀・船瀬研が協力して行いました.